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ポンピドゥー・センター傑作展

1906年から1977年までの作品が、1年1作品で展示されている。

1900年代、特に前半は数多くの争いがあった時代。

芸術家は時代をじっくりと観察しながら、時にはうねりのなかで、
時にはどこか少し距離を置きながら、その時代を表現している。

作品に添えられた言葉には、その人なりの世界の見方を
すこし教えてもらっているような気がする。

印象に残った2つの作品と1つの空間

1923年「オルリーの飛行船格納庫」ウジェーヌ・フレシネ
35mm白黒サイレント映像
1944年に第二次世界大戦で破壊された建造物。
しかし映像を見ることを通して、時代を超えて残っている。
その記録としてのメディアが、芸術としての作品に。

1939年「4枚の葉と3枚の花びら」アレクサンダー・カルダー
モビールで有名なカルダー。
そして「モビール」の命名者はデュシャン。
その時代の交友録を思わせるエピソードにも、
時代を生きた一人一人の芸術家の息吹を感じられる。

1945年 空白 そして音楽
戦争映画で、この年に流れる同じ音楽。

遡った時代をともにゆっくりと眺めながら歩くように、
ひとつひとつの作品を鑑賞できるような展覧会。

ポンピドゥー・センター傑作展
2016年6月11日ー 2016年9月22日

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# by arcout | 2016-07-25 22:31 | art

国立西洋美術館 世界文化遺産に

国立西洋美術館が、とうとう世界文化遺産に。
紆余曲折あったことも色々な記事で書かれている。

日経新聞:

近代での文化の国際化、その潮流という点で評価されたこと。
国際化された現代で、多文化の国々が一つになって叶えたこと。
文化を未来につないでいくこと。

今後、多くの人が訪れるであろうこの場所。

建築の意義や価値をなかなか認められず、葬られていく多くの近代建築。今回の登録により、近代建築の価値についても再解釈され、理解され、今後末永く保存されていくものが、一つでも増えていくと良いなと思う。



# by arcout | 2016-07-18 21:52 | architecture

認識すること

「オランダの光」 (ドキュメンタリー映画)

ずっと気になっていた作品。

国によって、場所によって、時間によって、光は異なる。
オランダ絵画を軸に光についての考察をする映画だが、
その中で「目に見えるものと、実在するものは違う」と
いうフレーズが、心に残る。

光があたることによってのみ、対象は認識される。
人も、光があたることによって、社会に認識されるのではないだろうか。

フェルメールの絵画にあるような光の理由を知っていくとともに、
いろいろと思いをめぐらすことのできる作品。
# by arcout | 2010-10-26 22:37 | movie

ひとそれぞれの視点

「羅生門」:監督:黒澤明

人間の本質とはどういうものか。
見る角度によって、話す人によって、都合によって、
人は言葉をあやつるものなのだと考えさせられる作品。
# by arcout | 2010-10-26 22:15 | movie

厳しさと温かさ


スイス人建築家、 ピーター・ズントー(Peter Zumthor)の言葉
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「わたしは良い家の熱狂的な発明者であり建築家である。
外見だけではなく、全てが調和し
矛盾のない建築物を作ることに力をずいぶん使う。
お金のためではない。依頼主にとっては、難しい」
quoted by Credit Suisse - Online Magazine

もうひとつ

"I'm (the type of) architect who works on the whole building himself."
(僕は建物全体のすべてに、自分でかかわる建築家なのです)
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時として建築は人を語る。
決然と、厳然と、妥協のない、しかし人の心をひきつけてやまない。
普遍的であり、詩的であり、思想的であり、人間的でもある空間。

厳しさと温かさはひとつなのかもしれない。

Ref: Peter Zumthor 映像(SF/Swissinfo)

# by arcout | 2009-09-10 22:33 | word